視力とは?
人間の眼の最高視力は、解剖学的には最低でも約3.0-4.0ぐらいあるはずだと言われていますが、時代と共にその生活様式が変化し、狩猟の必要性がなくなり、遠方のものを識別する必要性が激減し、その能力が衰退したのです。現在ではアメリカ原住民の一部の人が3.0-4.0以上に視力を維持しているのすぎません。
視力の定義
視力とは角膜や水晶体を通じて網膜に映し出される物体の形や存在を認識したり、離れた隣合わせの二点(視力検査に使用されている『C』ランドルト環の切れ目がこれにあたります。)を認識する能力のことです。認識できる2点間の最小距離を測って、それを「視角」で表します。そして、その視角の逆数に比例する値が「視力」とされています。
一般的には、裸眼視力またはメガネやコンタクトレンズによって矯正した視力で1.0が日常生活で必要であると考えられていますが、実際は0.7程度あれば支障はないと言われています。
また、左右の視力のバランスも重要で、左右の視力が異なると遠近感が悪くなってしまい、スポーツや車の運転等で不都合が生じてしまいます。
そして眼は通常、両眼がよい場合は単眼のときよりも視野で25%の拡大され、視力では約10%よく見えると言われています。
視力低下の原因は?
視力低下の原因は、一般的に環境による影響が大きいと言われています。しかし、実際にはその原因は現在のところ解明されてはいません。
視力低下には様々な説があるようですが、主に「遺伝説」「環境説」「眼軸説」の3つが挙げられます。
◊ 遺伝説
100年近く前から提唱されている説で、遺伝説では何歳の時に近視になり始め、どの程度まで低下するかが遺伝子レベルで決まっていると言われています。
この説の裏付けとして、89%という高確率で親子が近視であること、近年の研究で関連する遺伝子も特定されたことなどが挙げられており、現在の医学界では“遺伝説が定説である”とする専門家が少なくありません。
◊ 環境説
◊ 眼軸説
これは、水晶体の屈折率は基本的に同じで、焦点が結ばれるべき網膜が成長の過程で前後になってしまうことによって近視や遠視になってしまうというものです。
具体的には、仮性近視(偽近視)のように、眼の疲労によって視力が低下することは医学的にも確認されていますが、この眼の疲労は「環境説」に該当し、眼の疲労が慢性化することで慢性的な近視になることから“仮性近視”から“近視”に移行する場合も数多くあります。
また、「軸性近視」では眼軸が長い場合に該当されますが、“軸性近視ほどではないが、眼軸が長め”の場合でも、焦点にズレが生じてしまうので、視力低下の要因になってしまいます。
さらに、角膜などの“ゆがみ”によって焦点が1つに収束されない「乱視」や、遠くも近くも見えない「遠視」においては、環境説では説明できない部分がある為、成長期の眼球傷害などを除き、遺伝的な要素が強いということが言わざるおえません。
視力の単位
視力は2つの点を2個の点として識別することの出来る最小視角で表します。
正常の最小視角は、1’です。
みなさんよくご存知だと思いますが、視力を表すのにランドルト環を用います。
視力表には、大小のランドルト環がたくさん並んでいますが、大事なのは環の大きさではなく、あの環の切れ目なのです。輪の切れ目がわかるということは、輪の2つの端が認識出来ているということになります。
直径7.5mm、太さ1.5mm、切れ目の幅1.5mmのランドルト環を5mの距離から
見ると視角1’となり、これを見分けることの出来る視力を1.0といいます。
切れ目がこの2倍の大きさ、つまり3mmになったとき初めて見分けられた場合は、視覚が2分ということになります。視力はこの逆数を使って表すということですから、1/2、つまり、0.5ということになります。
視力が4.0だと、これはつまり20mの距離から1.5mmの切れ目を判別できるということになります。

雑記
■視力は、目覚めてから眠るまでの間に徐々に落ちていくそうです。だから、視力測定をするなら午前中がよい。
■小学校や中学校で、裸眼視力を測定する場合、最近はA、B、C、Dの4段階で記録されることが多いです。
A:1.0 以上……教室での勉強に支障なし。
B:0.7〜0.9……教室での勉強に不便なことがある。
C:0.3〜0.6……教室での勉強に不便なことが多い。
D:0.2 以下……教室での勉強に不便あり。
■視力1.0に該当するランドルト環「C」の大きさ。(5mの距離から認識出来る。)
直径……7.5mm
太さ……1.5mm
切れ目の幅……1.5mm
■視力0.5用のランドルト環の大きさは、1.0用の2倍。0.2用だと5倍。0.1用なら、なんと10倍の大きさ。
この方法を利用すれば、視力表のいちばん上のランドルト環の向きがわからないときでも、視力を測定することができる。規定のラインから1m前に出て、たとえば、4mの位置から、0.1用のランドルト環の向きが判別できたときは、0.08ということになる。
■視力表のランドルト環は、上から、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0。
全部で12段。
■中央競馬の競馬学校を受験するには、左右とも最低0.8以上の裸眼視力が必要とされる。
■運転免許証用に必要となる視力は、片眼で0.3、両眼で0.7以上とされている。
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